「モンティ・ヘル問題」という思考実験。
かの有名な「モンティ・ホール問題」をもじったパラドックスです。
わかりやすく解説していきます。
モンティ・ヘル問題とは
モンティ・ヘル問題は以下のような問いです。
モンティとマリリンの2人は地獄に落ちました。
地獄では毎日10ドルのお金がもらえます。
1ドル札が10枚です。
地獄ではお金を使うことはできません。
いつか地獄を脱出できた時のために、貯金しておきます。
また地獄にいる人は、管理人に毎日1ドルを渡す必要があります。
モンティとマリリンではお金の管理方法が少し違います。
モンティはお金をもらうと、大きな袋に全部入れます。
そのあと袋から1ドル札を適当に取り出して、管理人に渡します。
マリリンはお金をもらうと、10枚の中から1ドルを管理人に渡します。
そして残りを大きな袋に入れます。
無限の日々を過ごした後、モンティとマリリンは地獄を脱出できることになりました。
モンティとマリリン、どちらが多くのお金を持っているでしょうか?
どちらも無限のお金を持っているはずなのに・・・!
ここまで読んだあなたはこう思っているでしょう。
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管理方法なんて関係ない。モンティもマリリンも1日9ドルずつ増えるはず。
10日で90ドル、100日で900ドル。
無限の日々を過ごしたのなら、2人とも無限のお金をもっているはず。
そうでしょうか?
本当にそう言い切れるでしょうか?
一人ずつ見ていきましょう。
マリリンの場合
まずは簡単な方。
マリリンから見ていきます。
マリリンはあなたの直感通りであっています。
1日9ドルの貯金に成功。
10日で90ドル、100日で900ドル。
無限にお金を持っています。
地獄から出て、楽しい生活が待っているでしょう。
モンティの場合
モンティも同じように、無限にお金を持っていそうですよね?
でも、ちょっと考えてみて下さい。
モンティが最初の日にもらった1ドル札10枚。
何枚が脱出の日に残っているでしょう?
無限の日々を地獄で過ごしたなら、最初の日にもらった10枚は全て無くなっていそうですね。
では2日目にもらった1ドル札10枚は?
何枚残っていると思いますか?
モンティは無限の日々を地獄で過ごしていますからね。
2日にもらった10枚も、全て管理人さんに渡してしまっていそうです。
3日目・4日目も同様に考えると、残っていないと考えるほうが自然ですよね。
となると無限の日々を地獄で過ごしたモンティは1ドルも持っていないことになります。
地獄から脱出したモンティはバイトを探さないといけませんね。
モンティ・ヘル問題は無限の思考実験の一つ
モンティ・ヘル問題は無限をテーマにしたパラドックスの思考実験の一つです。
モンティは無限にお金を持っているはずなのに、1ドルも持っていない理論も成り立ってしまいます。
前回記事を書いた、ピンポン玉問題も同じように無限をテーマにした思考実験です。
1mの高さから落下したピンポン玉は、永遠に地面に着くことはありません。
以上、『モンティ・ヘル問題(パラドックスの思考実験)をわかりやすく解説』でした。
にしラベルの西野でした。